劇透
クルツ君の生存フラグは以前からあったので二年前の予想通りですが、
宗介のピンチに颯爽と登場(もちろん狙って)あたりかなと思っていた時期がありました。
本巻を読む限り、もう少し重い感じのシナリオなので、
エピローグ登場ですかね。マオとのド付き合い生活が書かれるのではないでしょうか。
本編では組織としては完全に崩壊し、補給もままならないテッサたち。
末期戦に近い状況でかろうじてM9やレーバテインを維持している
半ば以上洋風戦争映画/小説の定型をとりつつ、周囲のキャラクター達にも脚光を当てる。
テッサは云うに及ばず、戦友であるマオやベン、
整備担当のブルーザー、マデューカス副長。ヤン君にはあんまり当たっていませんが。
いままで書かれてきた過去を含めて現在の登場人物たちがあるということを示して、
容赦なく斬り捨てる。
テッサは、最初は冷静美少女ドジッ娘艦長などというイロモノだったのに、
実にいい女になった。したたかでたくましい女に。
最終決戦の地と判明したメリダ島攻略を前に、世界情勢は急展開を向かえる。
世界各地で紛争がおき、二大超大国同士による核戦争が絵空事ではなくなってきた中で、
アフガニスタン国境近くにある核ミサイル発射基地が武装勢力に占拠される。
それは、元ミスリル勢力の戦力分断を図り、
場合によっては核戦争の引き金を引くことを目論んだレナード達の策だった。
通常の軍人ならば迷うことなく、核ミサイル基地奪還を選ぶのだがテッサだけは違っていた。
彼女と宗介だけはそれが陽動であり、真の目的はメリダ島の防衛であることを知っていたのだ。
ついにクルー達に明かされるウィスパードの秘密と世界情勢の裏側。
戦力を分断し、自分と宗介だけでメリダ島に向かうというテッサ。
クルー達が不審に思いマオが怒り狂う中で彼女は寂しく笑う。
『ないんです。』
『……みんなをつき合わせる理由が』
それは、ウィスパードである彼女とカナメを取り戻したい宗介にしか理由がない。
なぜならば、
世界が改変されてしまえば一般人であるあなたたちはその事実を認識できないのだからと。
世界が改変されることを阻止するのはつきつめれば自分の我侭で。
核戦争の危機から世界を救うのは貴方達が行うべきなのだと。
ここまでは悲壮な決意を固めたヒロインだったが、最後の最後でやってくれました。
全乗組員の前で最後の「ずるぺったーん」!
いままでごく一部の前でしかお披露目していなかったのにね。
メリダ島攻防戦で、初めて全開放されるトゥアハー・デ・ダナンの全兵装。
今までは潜水艦戦のセオリーにのっとり静かなる攻防戦でしたが、正面決戦とは。
60ノットで驀進中に70ノットの魚雷やMVLS撃ったら自分にぶつかるんじゃねー
のとかいうのは野暮です。
戦闘シーンのイメージはノーチラス号*1だろうな、たぶん。
完全調整されないまま登場するレーバティン・フルオプション。
イメージ的にはSガンダム・ディープストライカーですが、
絵を見る限りガンダム種のミーティアですね。あるいはドラグナーフルオプション仕様。
レーバテインをギリギリまで調整していたがために、戦闘時の衝撃によって重傷を負った
ブルーザー。彼がが死ぬとはね……おそらくクルーの大半が死ぬだろうとはいえ。