高評價?
http://www.tokyo-sports.co.jp/entame/anime/131111/
――早速SAOの話からおうかがいしたいんですが、まずどういった経緯でオファーが来たんでしょうか
伊藤:監督デビュー作は「世紀末オカルト学院」(2010年放送)でしたが、
あれは紆余曲折あった作品で、ひとまず無事に作品を終わらせたのでアニプレックス
上層部にもちょっとだけ評価していただいたようで。
現在、取締役の岩上(敦宏)プロデューサーから「そろそろ監督やりませんか」と
何本か候補をもらい、その1つがSAOでした。
シャフトさんとかだと、準備できるところまでプリプロダクションをやって、
作画の期間は直前からよーいどんという形での制作が多いんですけど、
今回は前段階の時間をいただけたし、かなり有効に使えたと思います。
シナリオ会議は放送の1年2か月から3か月前にはスタートしてました。
2クールの作品でしたが、準備期間は十分にもらっていたので、
2クール走りきれると思ってました。
――SAOはオンエア後の評価もよかったと思うんですが
伊藤:俺はひねくれているらしく、高評価と言われていても
「みんな本当のことを言っているんだろうか…」とうがって見てしまうんです。
だから正直ファンの反応とかはよく分からないです。
一番うれしかったのはA-1の高円寺スタジオの子が白箱(オンエア前の映像)を
早く見たがっていると話を聞いたことですね。身近なところで興味をもらってうれしかった。
ただ今回思ったんですけど、あまり褒められても自分のモチベーションにはならないなと
(笑)。あまり外的要因に左右されると心が惑う。
それよりは自分が最初に掲げた目標を達成することに注力するほうが大事だと思ってます。
――ちなみに今回掲げた目標は
伊藤:原作者の川原礫さんたちとの顔合わせ後の飲みの席で「とりあえず原作の売り上げを3倍にします」といいました。確か(汗)
――おお、すごい。作品について振り返ってどうですか?
伊藤:主役のキリト役の松岡禎丞くんはちょうどSAO開始時にいろんな作品の主役をやっていたんですけど、主役に一番最初に決めたのは俺なはずです。
だから俺が見出したと言いたいですね。星野監督のアスキーアートみたいに「わしが育てた」と(笑)。俺はオーディション主義者なので、彼ももちろんオーディションで起用を決めたんですけど
会場にあまり堂々とせず、おどおどしている松岡くんがいて。
そんな彼のナイーブな第一声を聞いて「こいつかもな」という直感がなんとなくありました。
こいつだったら25話終わったら役と共に成長できるんじゃないか。もしそうなったらうれしいなと。
技術的なことは音響監督の岩浪美和さんにお任せして、このシーンは今後こういう流れになっているから全体としてこういう配分でやってくれとか全体の流れを説明した紙を渡したりしました。